インセンティブは毒?

こんにちは、ちょびです。

 

主に仕事上の話ですが、従業員にやる気を出してもらうためにインセンティブを使う企業というのは多いと思います。

例えば、ノルマを達成すれば報奨金が出たり、売り上げがトップになれば社長賞が出たり、他にも基本給が上がる、役職が上がる、周りに認められる・評価される、というのもある意味でインセンティブと言えると思います。

こうした広い意味を持つインセンティブですが、今回は「これを達成すれば、こういう報酬がもらえますよ。」という「If-Then型」のインセンティブについてお話ししたいと思います。

日本は元々、「If-Then型」のインセンティブをあまり積極的に導入していなかったと思います。年功序列に横並び、終身雇用では、あまり極端なインセンティブを用意しても全体の調和が乱れるため、かえって悪影響を及ぼしかねません。評価にしても昇進にしても極端に差がつかないようになっていました。

これが崩れたのがバブル崩壊後で、人件費を抑制したい企業は評価に基づいた賃金制度を導入し、業績が目標に達成しない多数の給料を下げ、スター社員にだけ高い給料を払う方法として、インセンティブも徐々に浸透してきたのではないでしょうか。

海外(特にアメリカ)では飛び抜けた業績を出した人間に、これまた飛び抜けたインセンティブを与えるのが一般的なようです。こういった国は元々、仕事に人間がくっついている「ジョブ型」といわれる雇用体系を取っており、「あなたの仕事はここからここまで」、「あなたの目標はこれ。達成すればたくさんお金を払うし、いついつまでに達成できなかったらクビね。」という分かりやすくて、とってもシビアな働き方をしています。

 

さて、この「If-Then型」のインセンティブですが、今の時代には実はあまり役に立たない、という研究結果が出ています。

「If-Then型」のインセンティブには、「物事に集中させる」という効果があり、一定のルールに従って作業を行う場合、とても効力を発揮します。

一方で、この「物事に集中させる」という効果は、視野や思考を狭くするという副作用があり、広い視野でものを考えなければならないとき、逆にその人をゴールから遠ざけてしまうのです。

これはかなり以前から社会科学の世界で言われていることなのですが、世間的にはあまり認知されていません。

では、現代のあるべきインセンティブとはなんでしょうか?

それは、また別の機会に書きたいと思います。

 

上記の話について、もしご興味があればTED Talkの「やる気に関する驚きの科学」を是非ご覧ください。

ダニエル・ピンク: やる気に関する驚きの科学 | TED Talk