あなたは野心的?

こんにちは、ちょびです。

 

突然ですが、私は昔、野心的でした。

国立大学職員を選んだ理由が「法人化に伴い、文部科学省の支配力が弱くなる。そうすればⅠ種(現在の総合職)ではない自分にも出世のチャンスがあるはず」というものでした。

思惑はある程度当たり、昔と比べればⅡ種(現在の一般職)の人の出世は早くなりました。が、文部科学省の支配力はそれほど変わらず、Ⅰ種の人が今でも幅を利かせている実態があります。

就職当時は野心的でしたが、年月が過ぎるほどに現実を思い知らされ、自分が希望していたような出世はあり得ない、ということに気付きました。

それでも同期の中では比較的評価されていた(と自分では思っていた)ので、それなりに出世できるもの、と思っていました。

私が出世に対して興味がなくなったのは、子供が生まれたのが大きいと思います。特に二人目が生まれて、仕事に使える時間が本当に減りました。自分の能力を駆使しても、まるで無制限に残業する人と比べれば、上司の評価はそこまで上がらなくなりました。

そして、そこまで残業しても部署の偉いさん達は、私の眼には魅力的な人物にまったく映りませんでした。子供や妻との時間を犠牲にして、自分の時間の全てを費やして、得るものは尊敬されない役職だけ。これでは割に合いません。私は出世することに距離を置くことにしました。

そんなことを考えていた私ですが、以下の記事を見て、野心は大切かも?と思うようになりました。

 

“権力志向型”小池さんが率いる組織の運命は?:日経ビジネスオンライン

 

上記の記事による、まずは権力者の自己認識から。

権力のある人は、権力のない人よりも自己を正当化する傾向にあるそうです。これは男性で特に強い傾向ではないかと思うのですが、年配の女性は他人から間違いを指摘されると「気づかなかった。知らなかった。」と言い訳する傾向があるようですが、年配の男性は「自分に指図するな。」といわば逆ギレする人が多いそうです。これは(他の人はルールを守るべきだが)自分だけは許される、と考える人がいるからだと思います。

特に権力(権威)のある人はこの傾向があるようで、大学教授が新幹線で非常識な行動を取り、物議を醸したこともありました。

全文表示 | 空いている指定席、「来てから移動ではだめですか」 大学副学長の「車掌名指し」ツイートが物議 : J-CASTニュース

 

さて、本題の野心の話ですが、前述の日経ビジネスオンラインの記事によると、権力志向型のリーダーを持つ部下は責任感が高く、自分は強いと感じる傾向があるそうです。

う~ん、私の実感とはかなり違う結果です。でも、最後まで読み進めるとちゃんとオチがついてます。

「自己抑制力のない権力志向型は、組織を滅ぼす」

これで納得できました。権力を欲しても、あくまで自分を律することができる人間だけが優れたリーダーであり、単に他人を支配したいだけの(自分勝手な)人間は組織の害になる、ということです。

権力者の自己認識については、権力者はもともと自分に甘くなる傾向があるため、その誘惑に負けない人間こそが優れたリーダーになり得る、ということだと思います。

そう言われれば合点がいきます。単に権力志向なだけの人間は往々にして、部下を食いつぶす存在です。権力を求めつつも、権力に溺れない人間はおそらくとてもパワフルで、魅力的な人間だと思います。そんなリーダーの下にいれば、部下は責任感が強くなり、自分が強くなったと感じるでしょう。

バランスの取れた野心は大事ですね。